【浮島ブルーイング】那覇のクラフトビール 秘められた思いとは?

浮島ブルーイング ビール並び


那覇の街中で作られているクラフトビール

観光客で賑わう那覇市の国際通りから旧牧志公設市場に通じるアーケード商店街「市場本通り」。サーターアンダギーや蒸した上がったばかりの饅頭の甘い香りをくぐり抜けさらに進んでいった商店街の一角、戦後、川の上に作られた水上店舗の3階に「浮島ブルーイング」はあります。

店のカウンターには色とりどりのクラフトビールの瓶が並べられ、花のような香りながらも確かな苦味が後から追いかけてくるヴァイツェンやスモーキーで飲みごたえのある黒ビール「スタウト」など、その種類は20種類以上に及びます。原材料には地元の食材を積極的に使っています。その背景には”ビールを通して沖縄のことを知ってもらいたい”という思いがあります。

浮島ブルーイング 由利充翠さん
「ビールを通して街と密接に継続的に関わっていきたい。そんなビールがあってもいいかな」

ビール作りの原点は”街づくり”


浮島ブルーイングの代表。由利充翠(ゆり・みつあき)さん、沖縄に住んでもうすぐ20年になります。

由利さんの原点は町づくりにあります。お店のそばに住む由利さん、毎朝古くからの陶器店が並ぶ”やちむん(焼物)”通りを歩きます。通勤途中でも知り合いの窯元の人を見かければ次々と訪ね歩きます。今取り組んでいることや悩みなど街の状況を聞いて周ります。こうした人との関係造りがビール作りにもつながるといいます。

難しい”街づくり”

琉球大学で都市計画を学ぶため沖縄にきた由利さん。大学を出た後はNPOなどで街を活性化させる活動を行なってきました。シャッター街となった沖縄市・コザの街に活気を取り戻そうとイベントを行ったり、若い人たちが起業をするためのさまざまな施策をおこなってきました。


しかしどんな提案も実際に街の人がその気になって動かないと何も変わりません。

もどかしい日々が続きました。

由利充翠さん
「誰かの土地や誰かのお金で何かをするのではなくて、自分自身が投資して仕事を作っていく。それが極めて重要でそうではないと街づくりの主体にはなれない」

ビールで人の和を醸す


そこで始めたのがビール作りでした。

麦や米、果物など沖縄で採れた食材を使い次々と新しいビールを生み出しています。地元のものを使うことで多くの人に沖縄の歴史や文化を知ってもらい街の活性化につなげようという思いからです。

由利充翠さん
「ビールは発酵食品なので醸すという言葉を使いますが、街も実はいろんな人たちが動きあって醸しているものだと思ってるんですね。ビール作りと街作りというのは共通点がたくさんあります。
これからもいろんなビールと人を繋いでいきながらビールで和を醸していきたいなと思ってますね」


店舗名浮島ブルーイングタップルーム
住所沖縄県那覇市牧志3−3ー1 水上店舗第二街区 3F
営業時間17:00~ 
定休日水曜日
電話番号098-894-2636
ホームページhttps://www.ukishimabrewing.com

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